どのくらい？

　　　　　　　　「ねえ、どのくらい私のこと好き？」」　

　　　　　　　映画を見に行った帰りの喫茶店で、不意に君が尋ねた。

　　　　　　　「うーん、そうだなあ・・言葉で言い表せないくらい好きだよ」

　　　　　　　　アイスティーを飲みながら、何気なく自分の気持ちをそのままに伝えたら、

　　　　　　　　君はものすごく後悔したような顔をした後、泣き出してしまった。

　　　　　　　「どした？　なんか俺、まずいこと言ったかな？」

　　　　　　　「ごめんね・・・・・」

　　　　　　　「どしたの？　何であやまるのさ？」

　　　　　　　試すことで愛が壊れ始めることを知ったのは

　　　　　　　僕がずっと大人になってからだった。